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フェンダーのカスタマイズ・サービス“Fender Mod Shop”がホントの黒船

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本家本元が本気を出せば個人工房は駆逐される。そういう話をかつて個人ギター工房の人と話をしていたのを覚えています。 その中でどういうふうにギターを作っていくかを考える必要があると。 当時はふんふんと聞いていましたが、そうなることはあるのだろうか。仮にあったとしてもまだ先のことじゃないのか。という楽観的な感覚はあった気がします。

2020年になる前後でやたらFenderの動きが大きくなっていった気がします。コロナ禍でのギター人口の増加や、先日開店した、フラッグシップショップなど。

羽振りがいいというよりは、ターゲットを明確にして確実に拡大をしていった印象です。社長でも変わったんでしたっけ?あまり企業面としては追っていなかったのでわからないのですが、ともかくここが本気で客を掻っ攫いにきたらかなりしんどいのでは。というのは感じていましたが、過去そんな雰囲気がなかったのも事実(権利的な問題はさておき)

ところが、この5月からやってきたのが衝撃のシリーズ。セミオーダー形式でギターを購入する“Fender Mod Shop”サービスが日本でも開始されました。

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Fender Mod Shop

Custom Guitars & Basses Designed By You | Fender Mod Shop
Design your own custom guitars and basses, built to order in the Fende...

これはオンライン上でギターをカスタマイズして購入ができるサービスです。車とかを買ったことがある人ならわかると思いますが、各メーカーのネット上ではオプションパーツなどを自分でカスタマイズして金額を弾き出すページがあったりします。それのギター版です。

すでにアメリカでは2016年、イギリスとドイツでは2022年に開始されていたようでここのところ自分自身がFenderに縁がなかったので気にしていなかったですが、とうにその動きをフェンダー社は実行していたようです。

Mod Shopの特徴は

・ストラト、テレキャスなど合計9種類のギター・ベースが対象
・ボディ・ネックシェイプ・ピックアップなど基本的な部分のカスタマイズが可能
・製作はカリフォルニア州コロナ工場(つまりFender USA)
・価格は26万〜(パーツによって高額に)

価格が26万というところから推測すると、レギュラーラインナップ的にはAmerican Professionalシリーズぐらいなのかな?と期待しています。オーダー料金として上乗せが有り、スペックとしては、かつてのアメスタでこの価格になっている可能性も捨てきれない。このあたり判断は私ではまだなんともですね。

で、実際にいじってみると結構いいかんじ

画像引用元は下記URL

Mod Shop Stratocaster | Mod Shop
Mod Shop

もちろんのラージヘッドも選択できます。ボディもアルダーであれば、カラーはかなり自由に選べます。選択肢としてマホガニーやキルトメイプルも選べるようですが、色は限定されます。

3Dビューで確認でき、かつSNSなどにシェアもできるので自分だけのギターを作る上で楽しめる要素もある。そして、3ヶ月程度で届くので意外と早い。

個人的にこの26万円という価格が本当に絶妙だと思っています。

Fenderの強かさ

あくまでも個人的なイメージですが、ギターの価格帯によって利用ユーザーのレベルが違う。というのが前提にあります。10年ほど前の価格帯ですが、ストラト系でざっくりとするのなら

〜10万 初心者〜初級
〜20万 中級〜プロ
〜40万 中級〜プロ・趣味
40以上〜 趣味・プロ

こんなイメージ。 趣味というのは完全に自分のこだわりを見つけた人です。自分の欲しいギターの優先度がバンドや作曲・録音に関する所「以外」に注力している印象です。もちろん例外もありますし、音の善し悪しの話をしているわけでは有りません。

実は(?)バンドマンとかで第一線で活躍している人たちはあまりギターの価格を気にしていないケースが多いです。駆け出しの頃使っていたギターがそのままだったりする事もあって、そういう人たち、実はこんなギター使っていたんだ!と驚くこともあるかと思います。

なので当時のギターの毛色が変わってくるのが20万代という価格帯だと考えています。

で、Fenderはここが弱い。と思っていました。カスタムショップ製は30を超えます。今なら100はくだらない。マジ高すぎる。その分、良さがある。 で、日本から見たUSAってカスタムの廉価版ぐらいの意識があったんじゃないでしょうか。でもそういうものを求める人って、趣味系ギタリストが多い気がしていて、そういう人たちがあえてレギュラーラインナップって中途半端な立ち位置のギターを購入する可能性って低い。だからこそこだわりや融通の聞く個人工房系ギターに行く。そんな気がしていました。

個人工房の魅力としてはそういう大手にないバランスやこだわりを大手でできない価格で。というのがあったかと思います。セミオーダー方式は工房系ではわりと当たり前でしたし、そういうプロセスを踏めることは趣味系ギターにとって醍醐味でもあります。自分の考えた自分だけのオリジナルギターを手に入れるこの楽しさは代えがたいですから。

そういうところに大手がドカンと一発やってきたわけです。これは強い。札束で殴られる気分。

この価格帯、趣味系ギターにとっては需要的にもいいですし、脱初心者組にとっても狙いたい価格帯。うまくなってきたし、そろそろ良いギターがほしいなという気持ちがでる人たちに対して、この価格帯しかもそれが自分でカスタマイズしたギターだったら、、、言うことないですね

しかも今やCSなんて30出しても買えなかったりするし、ここくらいが良いか。と思わせてくる感じが強いなって思います。

もしかしたらフェンダー社自体もそういうところがウィークポイントだと思ってた?気のせい?

更に思うのは他メーカーの類似ギターの駆逐を狙っている可能性も感じています。

そもそもストラトキャスターって商標なので、他メーカーはその名前を使えません。「ストラトタイプ」とか言ってますよね。レスポールも一緒ですけど、この2大巨頭メーカー(というかストラト・テレキャス・レスポール)が強すぎるんです。

たしか少し前にもヘッドの形状の件で揉めたりしてましたね。 まぁ、国内だけの話で言えば、そもそもが3大ギターの模倣から始まったわけですからね。それが悪ではないと思います。当時のギターに憧れて自分たちで作ろうと考え、追いつけ追い越せという努力があってフェンジャパのほうが良い。とか国内メーカー品のほうがコスパ的に優れている状況に達しています。

だからこそ?法的な権利面ではなく、物量で潰しに来た。と考えています。(そう思っていない戦力かもしれませんが、そう感じる。というだけ) 戦いは数だよ兄貴。

これが流行っていくと、工房系ギターの中堅ライナップ全滅しちゃうおそれもあるなっていう未来もあるのかなって思っています。

絶対そこ狙ってるよね最近の動きからすると

とはいえ活路はあるはず

自分の話になりますが、現時点では私はMod Shopは使わないですね。 まだ欲しいギターができないです。

確かにラージヘッドがラインナップに組み込まれている時点で心はかなり揺れていますが、ラージヘッドのCシェイプということで、70sの1種類しかないのだと思います。それはナット幅が42mmであり、これはちょっと大きい。 ついでに言えばスキャロップもないしね。 ただ22F化されているのはありがたい。

そういう趣味系ギターとしては注文をつけたい部分がまだ足りていないのが現状です。カラーリングもオプションならイレギュラー系選びたいとか、ドットの色変えたいとかそういうやつね。

逆に言えば、そういう細かいオーダーをしたい場合、FenderはCSになって100万コースです。

工房系なら30くらいからあるんじゃないですかね。今は高くなってきたかもしれませんが

すべてのニーズに合致した製品やサービスなんてものは存在しないな。というのを肌で感じながらも、じゃあこのまま従来どおりの売り方が通用するのかというとそれも不透明。それこそ権利をさらに主張して、この形はFenderのみが作って良い。とまで行きかねない気もしています。あるいは免許制にするとか

オリジナル要素が強いもしくは極限までニッチに振り切ったものでないとどんどん厳しくなるなと思います。 ですが、個人工房の技術の高さを考えると、傘下に入ったりJCSとかいうの作っちゃえば?みたいなのは思ったり思わなかったり。予防線ハリますが、妄想です。

いずれにしてもこのサービスを見た瞬間。すげぇ!というよりヤバい!というのが頭によぎったのでツラツラと書いています。きっとこういう卑屈に考えた目線をしている私はターゲットに入っていないと思いますので言いたい放題です()

そもそも20万後半 キャッシュでとかクレジット一括なんて無理ゲーなんで(ふりだしに戻る)

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